ユニコーン企業数 【教育・科学技術イノベーションの現況【2023年版】】
2024.05.22
3-2-5 ユニコーン企業数
創業間もないにもかかわらず、大きな成果をもたらしている有望なユニコーン企業は、未来の経済を牽引する存在として世界の国々や投資家から熱い注目を集めている。ユニコーン企業とは、「設立から10年以内」「企業評価額が10億ドル以上」「非上場企業」「テクノロジー企業」といった4つの条件をすべて満たしている企業である。ユニコーン企業は上場後も大企業に成長していく可能性が高く、たとえばGoogle社、Facebook社(現Meta Platforms社)などもかつてはユニコーン企業であった。
設立から10年以内に企業評価額が10億ドルを超えることは非常に困難であり、2013年に「ユニコーン企業」という言葉が使われ始めた頃には世界に39社しか存在しなかったとされる。こうした希少性の高い企業をさす言葉として、伝説上の生き物「ユニコーン」の名称が用いられたという由来がある。
アメリカの調査会社「CB Insights」のデータによると、2023年5月時点で、世界のユニコーン企業は1215社である。
2013年当時わずか39社だったユニコーン企業数はここ数年で急増している。2017年には269社、2018年には385社、2019年には491社、2020年には563社、2021年には832社、2022年には1,080社となり、2023年4月時点では1,215社に増えている。2018年からの5年で3.2倍になり、2020年からの3年で2.1倍という急増である。
第1位のアメリカは656社と世界全体の54%を占めている。アメリカは2018年81社であったので8倍増である。第2位の中国は178社(2018年95社)で15%を占めており、この2か国で世界のユニコーン企業の約7割を生み出している状況にある。
これに、インド70社,英国51社,ドイツ29社,フランス25社,イスラエル24社などが続き、11位の韓国14社までが10社以上の国となっている。残念ながら日本は6社にとどまり、17位のグループに入っている。
5年前の2018年においては、アメリカ81社、中国95社、ヨーロッパ26社であったが、これが5年間でそれぞれ655社、176社、164社まで急拡大したのは、各国においてユニコーン企業創出のためのスタートアップ支援に力を注いだ結果と言われている。日本のユニコーン企業が少ない理由として2つの理由が挙げられている。一つは、世界に比べてベンチャー企業への投資額が少なく、スタートアップを育てるリスクマネーの供給が不十分なことである。もう一つは、優秀な人材が起業しやすい環境が整っておらず、そもそも起業家が少ないことである。
(桑原 輝隆)
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